ひらひらしたクマムシ
まずは背側と腹側の間に薄い皮のあるクマムシです。図を用意したのはウミクマムシ科ハナクマムシ亜科ハナクマムシ属
Florarctus(図1, 2)ですが、他にも同亜科
Ligiarctus(属)、
Wingstrandarctus(属)や、相同ではないと考えられますが、同科Euclavartinae(亜科)
Parmursa(属)、同科Styraconyxinae(亜科)
Raiarctus(属)、
Rhomboarctus(属)、同科Tanarctinae(亜科)
Actinarctus(属)もこの薄い皮を持っています。チカクマムシ科でも似たようなものを持っている種がいます。これをクマムシがどのように使っているのかは不明です。
ハナクマムシ属は世界中の、砂浜から水深数百メートルの粗めの砂から見つかる、よく見かける海のクマムシのグループの一つです。体長も比較的大きく、見つけやすいのですが、その多くがそっくりで、薄い皮の根元の少し厚くなっている部分や、口の周りの平たい感覚器官を観察しないと種を同定できません。